Opteron Dualマシンを組み立ててみる  [2004.07.10]

 研究室(正確には研究費用を出している機関)が個人PCの持ち込みを禁止し、 必要な機材はすべて新規に購入してくれるというので、 あこがれのDual Opteronマシンを組み立ててみました。 Quad Opteronにしなかったのは、さすがに一台100万を越えるのは勘弁してくれといわれたからです:-)

 コンセプトとしては、贅沢に自分の好みの部品で固め、機能には妥協せず、かつ、 なるべくコンパクトでシンプル放熱で悩まくてよいように、です。
 こんな感じでまとめてみました。
M/BTyan / K8W (S2885ANRF) EATXフォームファクタ。AGP Pro、PCI-X (133/100MHz) 1系統2スロット、PCI-X (100/66MHz) 1系統2スロット、5V 32bit PCI 1スロットと拡張性抜群。オンボードにSCSIがないのが残念だが、Silicon Image製SI3114(SATA RAID)とBroadCom製5700(Gigabit Ether)が載っているので不足はない。
CPUAMD / Opteron 248 (2.2GHz) x2 注文時の最速CPU。
MemTranscend / TS128MDR72V3E (PC3200, 1GB) x4 ECC Registered DDR PC3200 1GB。全部で4GB。
VGASAPPHIRE / Radeon 9600XT 128MB メモリ空間の消費量の問題で、後にELSA / Quadro NVS 280に変更。
HDD(Work)Western Digital / WD740GD (74GB,10000rpm) x2 Serial ATAの10000rpmのディスク。シークタイムは5msec程度。74GB x2でミラーリングするつもりだった。
HDD(Data)Maxtor / 7Y250P0 (MaxLinePlusII 250GB,UltraATA) Ultra ATA 133の7200rpmのディスク。MTBFが長いという。
DVDIO-DATA / DVR-ABH8 DVDマルチドライブ。LG電子/GSA-4082BのOEM。DVD+R/-R 8x、DVD+RW/-RW 4x、DVD-RAM 3x、CD-R 24x、CD-RW 16x、ATAPI。
MOFujitsu / MCJ-3230AP 2.3GBのMO、ATAPI。
2nd NICIntel / PWLA8490MT (PRO/1000MT Server Adapter) PCI-X対応Gigabit Ethernetボード。大学内ではMACアドレスを登録しないとLANに接続できないので、プライベートLANを作ってNAT接続できるようにするため。
SoundRME / Digi96/8 PAD 一般にはオーディオカードといって売られている。高音質なサウンドカード。アナログ入出力に使えるかも、とも考えている。
CASEENERMAX / CS-588ProIII Extended ATXが入る割にコンパクトな上、内蔵HDDベイの数も5個と多い。 オープンベイは5インチx2、3.5インチx1。12cmファンが背面についており排熱も十分。 別売のオプションによって内蔵HDDベイと背の高いCPUとの干渉をさけることができる。
P/SSparkle Power / FSP550-60PLG 550WのEPS対応電源
FDDMITSUMI / D353 ふろっぴー


  1. はこ
     まず、ケースをあけ、内臓HDDベイを取り外し、電源を取り付けます(写真)。 左側のベイ金具の上の方が5インチベイの下に取り付けるもの。 3.5"オープンベイ用をふくめ4段。 下の金具はケース左側、PCIスロットの上に取り付けるもの。2段。
     背面に取り付けられている12cmファンが頼もしい。

  2. マザー
     90W近い発熱に耐える大型FANをとりつけるために金属製リテンションを取り付ける必要があります(写真上)。 ちなみに、リテンションのマザーとの接触面には粘着テープが付いています。
     ケースに取り付けるといっぱいいっぱい(写真下)。 64bitスロットとDIMMスロット8本、大きなリテンションの付いたCPUソケット2つとなると 大きくなってしまうのは仕方ないでしょう。壮観。

  3. CPU & MEM
    Opteron248。OPN刻印はOSA248CEP5AL。 OSAはOpteronファミリ、248はモデルナンバ(2.2GHz)。 Cはパッケージが940pin CuBGAであること、
    EはVcoreが1.5Vであること、
    PはTdie(動作保証上限温度)が70℃であること、
    5はセカンドキャッシュが1MBであること、
    ALはステッピングがC0であることを示します。本当の意味での剣山。
     メモリは1GBのものですが、256MBitチップを利用した二階建ての品でした。 経験上二階建てはトラブルが多いので自分で選ぶ場合はなるだけさけるのですが、 今回はあまりよく調べずにTranscendのブランド名だけで選んでしまったのが敗因です(--;;;

  4. とりあえず
     シングルCPU & メモリモジュール1枚 + VGAで起動してみます。 このとき気を付けなければならないのは、 必ずCPUソケット0にCPUを挿し、それに直結するメモリスロットにメモリを挿す、ということです。 Opteronでは各CPUにメモリが直結しますし、 CPUソケット1に挿されたCPUはCPUソケット0に挿されたCPUを介して チップセットなどシステムハードウェアにアクセスするからです。
     電源を入れると意外とあっさりBIOS画面が出現しましたが、 これがあたりまえとは言えないのがPC組立の世界。 DRAM CLOCK 333MHzとなっているのはBIOSのレビジョンが古いためです。 最新版では400MHzになります (メモリコントローラはCPU側に内蔵なのでDRAM CLOCKはCPU側のサポートで決まります)。

  5. ちょっとこまる
     セカンドCPUと残りのメモリモジュール3枚を取り付けます。 今回はそれぞれのCPUに均等にメモリを割り当てたいので、 各CPU直結のスロットに2枚(2GB)ずつさし込みます。 反対側のCPUに割り当てたメモリにアクセスするときには そのCPUを介してになるのでレイテンシが大きくなります。
     さて、CPUとメモリの取り付けた後、 内蔵HDDベイの金具をつけてみると1st CPUのFANにちょうどぴったり接触することがわかりました(写真)。 FANの羽根は枠に比べて少しくぼんだ位置にあるのでこのままでもなんとかなるような感じですが、 HDDを取り付けた場合のネジの頭のでっぱりなどのことも考えるとあまり気持ちよくありません。
     ここで出番になるのが、CS-588ProIII専用のオプションとしてGrowup Japanが販売している 「CS-5xx用FDDホルダー for Xeon」と「CS-5xx用HDDホルダー for Xeon」です。 まず、FDDホルダーを3.5"オープンベイの部分に取り付けます。 この金具の裏側にはカギ爪が3組ついており、 これにHDDホルダーを3つまで縦方向に引っかけることができるようになっています。 とはいえ、発熱の大きい10000rpmのHDDとそれに勝るとも劣らないほど発熱するMaxLinePlusIIを つめこむ気にはならないので、真ん中は空けておくことにしました。
     FDDホルダー、HDDホルダー共に\980-@PlatHomeでした。左側の写真はHDDホルダーにHDDを装着したところ。  右側の写真は前方からとったもの。大きな12cmファンが頼もしいです。 ちなみに写真内の左下に写っているのが3.5" HDDの取り付けベイで、 1インチハイトのHDDが2つ入ります。 このようにベイを組み替えた場合もぎっしり詰め込めば5つの1インチハイトのHDDを搭載することができます。

  6. あがり & BIOS設定
     これで組立完了、後はBIOS設定&OSインストールを残すのみです。
     BIOSは2004.07.10現在、Rev. 2.02が最新です。 これ以前のバージョンではAGP & PCIのメモリ空間が4GB境界の直前に単純に"上書き"配置されるため、 4GB以上のメモリを搭載している場合にこの分だけ実メモリが無駄になってしまいます。 Rev. 2.02ではAGP & PCIのメモリ空間と重複する実メモリを 4GB以降にリマップすることができるようになっています。 ただし、Rev. 1.xxでは問題なく動いていたソフトウェアからの電源切断(@linux)が Rev. 2.02ではできなくなっています。 いったん切れるようなそぶりをみせるのですが、電源断されず再起動してしまいます。 それ以外については、この組み合わせで安定して動いています。 お薦めです(^^)
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