1UラックマウントマシンTS110を中古で入手したのですが、なんと、K/B、Mouse、ディスプレイを接続する端子がD-Sub Half Pitch 50pin (メス)にまとめられていました。Linuxを入れて使うつもりだったので、別のマシンでLinuxをインストールしたHDDを使って後はネットワーク経由で設定をすればよいのですが、現時点でのBIOS設定を確認したいということもあって変換コネクタを作成しました。
TS110のD-Sub Half 50pinコネクタのピン配置の解析結果を下に示します。一部不明なピンも残っていますが、とりあえずこれだけの情報で最低限の信号を引き出すことができます。コネクタはNarrow SCSIの外付けコネクタと同じです。また、VGAとPS/2のピン配置も一緒に記しておきます。
TS110 D-Sub Half 50pinコネクタのピン配置解析結果
ピン番号 | 機能 | ピン番号 | 機能 |
1 | GND |
2 | GND |
3 | GND |
4 | GND |
5 | RED(VGA) |
6 | GREEN(VGA) |
7 | GND |
8 | GND |
9 | BLUE(VGA) |
10 | GND |
11 | GND |
12 | GND |
13 | GND |
14 | N.C.(?) |
15 | GND |
16 | N.C.(?) |
17 | I2C(?) |
18 | H-Sync(VGA) |
19 | N.C.(?) |
20 | GND |
21 | V-Sync(VGA)*注
| 22 | I2C(?) |
23 | GND |
24 | GND |
25 | GND |
26 | GND |
27 | GND |
28 | GND |
29 | Data(K/B) |
30 | CLK(K/B) |
31 | GND |
32 | GND |
33 | +5V(K/B) |
34 | GND |
35 | N.C.(?) |
36 | GND |
37 | GND |
38 | GND |
39 | GND |
40 | GND |
41 | Data(Mouse) |
42 | CLK(Mouse) |
43 | GND |
44 | GND |
45 | +5V(Mouse) |
46 | GND |
47 | N.C.(?) |
48 | GND |
49 | GND |
50 | GND |
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VGA(D-Sub HD15pin)コネクタのピン配置
[詳細参考ページ]
ピン番号 | 機能 | ピン番号 | 機能 | ピン番号 | 機能 |
1 | RED Sig. |
6 | RED GND |
11 | GND |
2 | GREEN Sig. |
7 | GREEN GND |
12 | SDA |
3 | BLUE Sig. |
8 | BLUE GND |
13 | H Sync. |
4 | Reserved |
9 | +5V(Optional) |
14 | V Sync. |
5 | GND |
10 | Sync. GND |
15 | SLC |
VGA(D-Sub HD15pin)コネクタメスのピン番号
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PS/2(Mini DIN 6pin)コネクタのピン配置
[詳細参考ページ]
ピン番号 | 機能 | ピン番号 | 機能 |
1 | Data |
2 | N.C. |
3 | GND |
4 | +5V |
5 | CLK |
6 | N.C. |
PS/2(Mini DIN 6pin)コネクタメスのピン番号
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驚くべきことに、TS110のV-Sync信号(表中の*注、Pin21)はNTSC規格のV-Syncとは逆極性になっていました。私にはなぜなのか全く??です(ご存知の方、是非お教えください)。また、TS110のPin17, 22は電源投入状態で約+4[V]の電圧が出ています。VGAコネクタにはモニタの固有情報を取り出すためのDDCと呼ばれるバスが埋め込まれていますが、最新のDDC2という規格では物理層がI2Cバスとなっているようです。I2CバスはクロックSLCとデータSDAの2本の信号線からなる双方向バスで、DDC2では2本ともPC側で15kΩでプルアップされていることになっています
(詳細参考ページ参照)
。VGAコネクタではPin12, 15で割り当てられています。Pin9はDDC2バスの一部でオプションとなっています。おそらくPin17, 22の2本の信号がDDC2バスであると思われるのですが、それが確かなのかも、どちらがSLCでどちらがSDAなのかもわかりません。そのうち機会があれば解析するつもりです。
作るべき回路自体はとても簡単で、V-Syncをインバータで逆転させてVGAコネクタのV-Syncに接続、後は対応する信号同士を接続すれば終わりです。
今回は、インバータとして74HCシリーズ、電源はMouse用の+5V(Pin45)を利用しました。
D-Sub Half コネクタはPC用のNarrow SCSIの外出しブラケットでD-Sub Halfメスから50ピンのピンヘッダ(オス)に変換して基板に実装したピンヘッダソケットに接続、
PS/2コネクタは基板上に実装、VGAコネクタはSunhayatoの変換基板を使用してD-Sub Half コネクタと同様ピンヘッダ(オス)に変換して使用しました。
この実装ではインピーダンス不整合が起こりますが、TS110と変換モジュールの接続に外付けSCSIケーブル(100Ω)を使用する時点で不整合が起こってしまう(VGAは75Ω)ので、
きちんと作るならばD-Sub Halfコネクタへの接続のところからインピーダンスがマッチングするように配線をしなければならなくなります。高解像度で使用するわけではないので今回はこれでよしとしました。